こえとくらし発達・福祉と、家族の毎日を考えるメディア
大阪市・堺市から
記事一覧へ

受給者証の更新、全部手書きしなくていい? 大阪市の様式で見つけた減らせる手間

同意欄以外はPC入力も可能。世帯情報の重複記入を省ける条件まで、更新に使う実物の様式を開いて確かめました。

公開 2026.10.24 / 情報確認 2026-10-24

キーボードと赤いペンのコラージュに「また、全部手書き?」

架空のイメージです。実在の人物・施設・場面とは関係ありません。

通所受給者証の更新書類を前に、住所も家族の情報も、また一から書く。児童発達支援や放課後等デイサービスを利用する家庭にとって、支援を続けるための事務が毎年の仕事になることがあります。

大阪市は2026年10月1日、手書き中心の更新や返送の手間を減らしてほしいという市民の声と、その回答を公表しました。調べて分かったのは、同意欄以外はPC入力した書類でも提出できること。さらに、様式には世帯情報の重複記入を省ける条件も書かれていることです。今の書類で減らせる作業と、まだ残る作業を分けてみます。

この記事の目次
  1. 市の回答は「オンライン申請が始まった」ではない
  2. 申請書には、表にも裏にも同意欄がある
  3. 「同じ世帯をもう一度書く」に、省略できる条件があった
  4. 更新の封筒が届いたら、この順で進める
  5. 手書きを減らせても、封筒の手間は残る
  6. 出典・参考資料

市の回答は「オンライン申請が始まった」ではない

公表された市民の声は8月7日受付、市の回答は8月20日付です。手書きの負担に加え、返送用封筒がないことにも触れ、オンライン化を求めています。

市は、ホームページに必要書類のデータを掲載しており、各書類の同意欄は手書きが必要だが、ほかの項目はPC等で入力してもよいと説明しました。オンライン申請については今後検討するという回答です。書類をダウンロードできることと、そのままネットで申請を完了できることは別なのですね。

いま減らせるのは、どの作業?
  1. 入力同意欄以外は
    PC入力も可能
  2. 同意内容を確かめて
    手書きで記入
  3. 提出区から届いた案内で
    方法・期限を確認
大阪市の回答と現行様式から編集部作成。オンライン申請の開始を示す図ではありません。

申請書には、表にも裏にも同意欄がある

市の障がいのある子どもの支援案内を開き、「申請関係書類」→「申請に必要な書類」へ進むと、様式第1-1号と様式第2号のExcelファイルがあります。10月24日に確認したファイル名はいずれも「R8.8.1」を含むものです。ダウンロードに会員登録は要りません。

第1-1号は、サービスの支給と利用者負担の減額・免除等を申請する書類です。表面には本人・保護者の情報、今使っているサービス、今後希望するサービスなどがあり、下部に相談支援や関係先との情報共有についての同意欄があります。裏面には所得等を照会して負担上限月額などを認定するための、別の同意欄があります。

PCで入力する場合も、この二つを見落とさず、同意の内容を読んでから、必要な同意欄を手書きにするのが市の回答に沿った進め方です。Excelへの署名画像の貼付や電子署名で代えられる、とは回答されていません。

入力後は印刷プレビューで表裏と文字の切れを確認すると、書き直しを防げます。これは編集部からの作業上の提案です。家族の個人番号も扱うため、入力済みファイルを保存するなら共有端末や共有フォルダーに置いたままにしないようにします。

「同じ世帯をもう一度書く」に、省略できる条件があった

もう一枚の第2号「世帯状況・収入申告書」には、見逃したくない欄があります。減額・免除等の申請書で課税・給付等の状況を市が照会することに同意し、そこで記載した世帯員と同じ場合は、「1 世帯の状況等について」の該当事項を省略できるという説明です。専用のチェック欄もあります。

様式第2号の、照会への同意と世帯員が同一の場合に記載を省略できると説明した箇所
大阪市「支給事務取扱要綱」PDFの16枚目、様式第2号から必要部分を引用・トリミング。条件の説明と、その下のチェック欄が対になっています。原資料/大阪市、CC BY 4.0。画像を押すと拡大できます。

「昨年と同じだから、今年は省略」ではありません。比べる相手は、今回の申請書で同意・記載した世帯情報です。家族構成や生計の状況が変わったとき、単身赴任などで住民票上の世帯と生計を一緒にする人が異なるときは、様式の説明を確かめます。

また、省けるのは条件に合う世帯情報の該当事項で、申告書全体を白紙にしてよいという意味ではありません。収入状況などは別に欄があります。欄を減らしたいから同意するのではなく、照会内容を理解したうえで選ぶものです。

更新の封筒が届いたら、この順で進める

  1. まず、届いた通知の終了日・提出場所・指定された期日を確認する。市の要綱第3条は、期間満了に際して区が更新を通知するとしています。様式第3-1号は更新用の申請書・申告書を同封して提出を求める形です。市全体で一律に「何月何日」と決まった手続きとして扱わず、自分に届いた案内を基準にします。
  2. PC入力を使うなら、市の現行ファイルを開く。以前の入力データは参考にし、今回の日付・世帯・利用状況・希望するサービス量を見直します。昨年の支給内容のコピーが、今の本人の希望と一致するとは限りません。
  3. 省略できる欄と、同意欄を確認する。第1-1号は表裏があり、第2号の世帯情報には省略の条件があります。手書き欄を残して印刷し、必要な記入をします。
  4. 添付物を通知と照合して提出する。要綱には現在の通所受給者証、負担上限の算定に必要な書類等が挙げられ、必要に応じた省略の規定もあります。一律の「この2枚だけ」で完了すると考えず、区からの指定に合わせます。

郵送できるか、受給者証は原本か写しか、通知の期日に間に合わない場合はどうするか。案内にない点は、通知に記載された区の担当へ確認するのが確実です。連絡先は市の各区役所・保健福祉センターの一覧からも探せます。ここでは実際の申請・郵送や、各区への電話照会までは行っていません。

手書きを減らせても、封筒の手間は残る

今回の市民の声には、入力の面倒と、返送の面倒の両方がありました。PC入力は前者を軽くできても、印刷、同意欄の記入、提出の段取りは残ります。プリンターがない家庭には、印刷自体が一仕事です。

だから、市の回答で負担が解消したとは言い切れません。一方で、「全部を一から手書きするしかない」とも違います。同意欄以外のPC入力、条件に合う世帯情報の省略。今使える二つを知ったうえで、紙を届けるところまで含めた負担がどう変わるかを、今後のオンライン化の動きと一緒に見ていきたいと思います。

次に読む

新しい先生に、また一から説明? サポートブックで「今の本人」を伝える書き方
書類の作業を減らした先で、本人の今の希望や配慮をどう記録するか考えるために。

出典・参考資料