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新しい先生に、また一から説明? サポートブックで「今の本人」を伝える書き方

全部の経緯を書く前に、困る場面・本人の言葉・役立った対応を整理。大阪市の様式を手がかりに、引継ぎの負担を考えます。

公開 2026.10.22 / 情報確認 2026-10-22

重なる記録用紙と「この記録は、誰の言葉?」

架空のイメージです。実在の人物・施設・場面とは関係ありません。

新しい先生や支援者に、また一から説明する。前の学校で伝えたことを、今度は何に書けばよいのか。サポートブックは引継ぎの助けになりますが、記録を増やすほど伝わるとは限りません。

この記事の目次
  1. 最初に渡したいのは、今困る場面と、役立った対応
  2. 本人作成版と家族等作成版が分かれている理由を考える
  3. 「前は苦手だった」を、今の本人の決まりにしない
  4. 渡した後にも、話し直す余地を残す
  5. 誰にどこまで渡すかも、引継ぎの一部
  6. 出典・参考資料

最初に渡したいのは、今困る場面と、役立った対応

過去の経緯を全部まとめる前に、新しい場所で最初に知ってほしいことを選ぶ方法があります。困りやすい場面、本人が伝えている希望、実際に役立った対応。新しい支援者が次に何をできるかにつながる情報です。

大阪市の使い方ガイドも、困る状況や日常の工夫、うまくいった対応を書く考え方を示しています。診断名や「苦手」の一覧だけでは、誰が何を変えるとよいかまでは伝わらないからです。

引継ぎの情報を、小さく整理する

今の本人を伝えるメモ
いつ・どんな場面?
最近のことと、過去のことを分ける
本人は何と言った?
家族の推測と分けて残す
何を試した?
希望と、実施した対応を分ける
その後は?
変わった点・変わらなかった点
使い方ガイドを踏まえた編集部の整理例。公式様式の画像でも、実在する子どもの記録でもありません。

本人作成版と家族等作成版が分かれている理由を考える

エルムおおさかの配布ページには、就学前から就職までの様式と記入例が並びます。高校入学編は本人作成版と家族等作成版を別に掲載しています。これは、保護者が知っている本人の姿と、本人が新しい学校へ伝えたいことを同じものと決めない手がかりです。

家族の記録には、支援を受けた経緯や日常で分かった工夫があります。一方、本人には、苦手なことをどんな言葉で伝えるか、何から知ってもらいたいかという視点があります。片方の版がもう片方を置き換えるのではなく、違いを話せることに意味がありそうです。

「前は苦手だった」を、今の本人の決まりにしない

小さい頃の様子が詳しく残る一方、今できるようになったことや本人が嫌がるようになったことは抜けやすい。記録の日付を添え、今も同じかを確認すると、昔の説明が本人を固定するのを避けやすくなります。

たとえば「予定変更が苦手」という一行を、そのまま毎年引き継ぐのではなく、何の変更で困り、どの伝え方を試し、本人がどう受け止めたかまで書き直す。ここで挙げたのは記録の観点で、特定の方法の効果を示す事例ではありません。

渡した後にも、話し直す余地を残す

ガイドは、新しい環境で以前の支援をすべて引き継げるとは限らないことも説明しています。人や場所が変われば、以前合った方法をそのまま使えない場合がある。その限界まで書いてある点に、この冊子の使い方が表れています。

提出して終わりにすると、以前の説明が新しい環境の答えとして残ります。渡した後に何が合い、どこで困ったかを話すなら、過去の記録は現在の本人を決めるものではなく、次の工夫を始める材料になります。

誰にどこまで渡すかも、引継ぎの一部

国が公開するサポートブックの使い方資料も、本人だけでなく支援者や機関に関する情報を含むため、プライバシーに配慮した取扱いを求めています。情報が集まった道具だからこそ、誰が見る必要があるかを考える必要があります。

本人と話せる場合は、共有してよい相手、特に伝えたい点、今は渡したくない内容を確認する方法があります。受診歴や家族の事情を、関係しない相手に一律に配るのが引継ぎではありません。成人した本人の情報を扱うときには、保護者の心配と本人の共有意思を分ける必要があります。

様式は配布ページから、本人に合う時期のものとガイドを開いて確認できます。今回、個々の様式ファイルをすべて閲覧・記入したわけではありません。公式様式を模した画像は作らず、参照先を示しました。引継ぎのために書くのと同じくらい、今の本人に合わせて書き換えることも大切な使い方です。

次に読む

卒業後はB型、と勧められたら。本人に合う進路を決める前に確かめたいこと
進学の先に働き方を考えるとき、希望と適性の整理を知れます。

出典・参考資料

情報確認:2026年10月22日。資料の対象時点・調査範囲は各リンクの説明と本文を参照してください。

  1. エルムおおさか・サポートブック — 配布ページの年代別・本人版/家族版の構成
  2. 大阪市・使い方ガイド — 状況と対応、新環境での限界
  3. 厚生労働省公開・サポートブックの使い方 — プライバシー配慮。検索掲載内容で確認、全冊の詳細検証は未実施